クスノキっていう樹木は、知れば知るほど面白い。
材や根、枝や葉からとれる「樟脳」は、防虫剤だけでなく、医薬品としても古くから利用されています。
根元に落ちた枯れ枝も、鼻を近付けると独特の匂いがします。ワシ的には、この匂いは嫌いではありません。
で、クスノキは風が強く吹いた翌日には、必ずといっていいほど根元に小枝を落としています。
なんでかなぁと調べたら、強い風圧に対して、枝を簡単に落として風を逃すそうです。
もちろん、枝は折れても病害虫の侵入を阻止する樟脳を持っているので、そこから腐ったりはしないのです。
また、通常、樹木は若いほど移植が容易ですが、クスノキの場合は若木のときは移植が難しいとのこと。
そういえば、湯楽庵のクスノキはやって来た当初は、半分程度は幹や枝の樹皮が緑色をしていました。樹体に負担がかかったでしょうね。
今では全体がコルク層に覆われています。
そして、極め付けは葉っぱの葉脈の分岐点に「ダニ室」があって、そこにフシダニの一種が住み着いていることです。このダニはハダニなどの害虫を捕食するという、クスノキと共生関係にあるそうです。
写真の点線で囲ってある部分にダニ室があります。