湯楽庵的日常

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日本海・演歌の旅②

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岬の突端にある灯台へ行く---なんか地の果てに行くような感じで、妙な物悲しさを覚えてしまう。
ワシの田舎にも断崖絶壁に屹立する有名な灯台があって、幼い頃から「兵隊さんはこの灯台のあかりを見ながら戦場に行ったんだよ」ってな話を聞かされてきたのが、どうやらワシの“灯台=悲しみ”論を形成したようで。
それに岬の灯台って『火曜サスペンス劇場』の格好の舞台なわけで、悲しみはさらに深くなるのである^^;

---ところが、ここ「出雲日御碕灯台」は、悲しいイメージはぜんぜん無くて、つとめて明るい灯台なのであった。

駐車場から灯台に通じる小道の両側には土産物屋がずらりと並んでいて、さながら神社仏閣の参道のようであった。
呼び込みのおばちゃんが近海で採れたイカや魚の干物を焼いて待ち構えている。
こういう雰囲気は嫌いではないが、ちょっと呼び込みがしつこかったね。

高さ43.65メートル、東洋一を誇るこの灯台はてっぺんまで登れるのであった。
入口の横には受付のおばちゃんがいる。150円(大人ひとり)支払って靴を脱ぐ。

「靴を脱がないと危ないからね~」
おばちゃんのこの言葉は、誇張ではなく本当だった。狭くて急な鉄製の螺旋階段は、裸足がいちばん安全なのであった。

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あえぎながらも、ようやく登りつめて外へ出ると、日本海がどど~んと広がっていた。
だが、あまりにも天気が良くて、穏やか過ぎる風景だ。

「これは日本海ではない」と、ワシは思わず口にした。

やっぱり日本海は冬に限るね。
ひとり、雪混じりの冷たい季節風が吹きすさぶ岸壁に立って、ひゅーるり~、ひゅーるりーらら~♪と、森昌子の「越冬つばめ」を唄うんだな。
その帰りに一軒の居酒屋がぽつんとあって、凍てついた心をあっためようと暖簾をくぐる。
店には笑顔の素敵なおかみさんが待っていてだな、「どこから来たの?寒かったでしょ」って、熱燗をお酌してくれるわけやね。

---なんて妄想を灯台のてっぺんでダチに話したら、
「そんな都合のええ話があるかいっ」と、ツッコミを入れられてしまった。(旅の話はもっとつづく)
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by yurakuan | 2006-11-15 19:56 | ぶらり旅